3月の1ヶ月お疲れ様でした。
28日の日本時間午後、15時頃から上昇を強めたポンド円は、2016年ぶりの高値164.624円を付けました。この時間ドルも連動した動きをしています。円がまとめて売られた展開です。
どこまで行くのか?というお祭りにも似た熱狂的な過熱感の中で、相場はその後、ニューヨーク時間には161円代前半まで下落する展開となりました。
1h足の粒度でみると、
一番←の緑線では、20MA(黄色)で一度押し目をつけ、高値安値を切り下げて時間足ベースでは下降トレンドとなりました。
日足では下降トレンドの始まりにも、一旦の下げにも見える展開で、時間足ベースで下降トレンドを切り下げながら、どこまで下げるのかを探る展開です。
こちらは4h足
20MAまで下げたところで、直近の上昇トレンドラインでは
上からも下からも圧がかかり、右肩上がりのトレンドラインにじりじりと迫りながら1h足未満での上昇下降合戦となりました。
日足レベルで一気に上げてから下げた影響で、平均線も安定せず、そのときどきでトレンドとなる分足が違った印象です。
結果、(緑の上側)トレンドラインも割ることで、日足ベースの上昇トレンドがいったん崩れることになりました。
- 4h足以上からは、売る理由もないが買う理由はない展開
- 1h足からは、20,50MAを割って、ダウ視点のトレンドラインも割り、売るしかない展開
- 15分足以下は常にトレンドが追いつかず、買いの入らない展開
と底が抜けた形になりました。(一番←の◯)
こちらは日足。下の赤線が240MAなので、日足の20MAです。
これに反応し反発する形で、売り圧力もありながら、じわじわと戻していく展開となりました。
投資家の反応としては、いったんあげて162くらいまでは行ってほしい、という人もいれば、割ったトレンドラインの反発を見込んでその前後で買う層もいたと思われ、
大きくはトレンドラインへの反発と週足が上昇トレンド継続であることから一旦の調整と見る動き、デイトレードで数時間でレバレッジをかけて利確をしようとする動きから、明確な反転ポイントはサポレジラインのみでした。
人によって目的や売買の想定時間軸が違い、上位足のMAも近づいてくるまでの間は大きな攻防もなく、戦局に大きな影響を与えない小さな競り合いが続いた印象です。
共通しているのは、何度か上昇のチャレンジをしているところ。じわじわ上げて急落、という動きからも、トレンドとしては上昇である(じわじわと買いが集まっている)と言え、全体としては上がって行きたそうな動きだと見ました。もちろんこのまま割れていく動きも視野に入れつつも、上目線でいえば、それを実現するだけの長期的希望もなければ、売りポジションの損切りによる寝返りもないため、機会を探っている状況が2〜3日ほど続きました。
31日のロンドン〜ニューヨーク、大激戦
ロンドンINした段階で、時間足50MAに向かう動きがありました。
この前の4,5時間で大きく下げており、MAに向かって動くか?という展開に。
しかし大きなモチベーションはなかったようで、上がるかもしれない、という買いに対して、MAからくる大きな売り圧力の援軍のもと、1m,5m,15m次々と下降トレンドに入っていき、実体の短い、上下のヒゲが長い時間足が5,6個陳列されました。
決着がついたのは6時間後。それまでは普段の3倍くらい周期の短い上下を繰り返し、ずっと波を眺めていましたが、オシレーターを見る感じでは、3度ほど、下向きの総攻撃(15-5-1m)がありました。
メイン部隊は1分足でしたね。
何度かレジサポラインを割るか、という展開が続いたのち、
ここで159ちょっと下を割ると、また底が見えない展開になる
159ちょっと下の損切りを食ってから燃料つきて上昇、を最後の決着と考えていましたが、159.43あたりのラインでは売り勢が利確根拠となること、買いの損切り(下落要因)としては中途半端であること、新規の超短期買いがあったこと、割るのではないかという希望的観測買いを食いながら、全体としては徹底的な防衛火力があり、3点の底をつける展開となりました。
おそらくこのあたりから、1分足の売りの優勢が徐々に削がれていき、小さな波となり、買いも売りも圧倒的な上がる根拠を失いながら、ゆるゆると1分足が平均線の上に浮上する形で、1分→5分→15分と、これまで溜め込んでいた上昇圧力を開放する形となっていきました。
そのあとは、お昼にかけてご覧のとおりです。
最後の砦は1hの20MAでした。ここでニューヨーク時間おわりに攻防があったときには既に寝ており詳細はしるよしもありませんが、餌と大局がうまく組み合わさって、買いが買いを呼ぶ展開になったかなと思っています。
もちろん相場を読むことはできませんし、勝手なロジックへの落とし込みですが、このように攻防戦に落とし込むことは、ニュアンスを知るうちの一女になるのではないかと思っています。
希望は絶望に変わり、絶望の中で相場は育つ
「号砲で買い、平和の笛で売れ」というロスチャイルドの言葉があるようですが、この値動きは1つ、それを反映しているように思います。
ただ単に天の邪鬼になるのではギャンブルになってしまいますし、唯一の根拠と成る節目への影響を無視してしまうのでリスクリワードが悪く、人間の行動経済学である「利益は少なくても確実に欲しい」「損失は先送りにしたい」という損小利大の逆のコツコツドカンとなってしまいます。
必要な視点は、自身の見立てに対しては1つの理を認める立場と、とはいえそれを根拠に今INするポジションを食ってこそ相場は成長する、という事実に根ざした投資態度を取ることだと思っています。
予測には2つの意味合いがあります。それは「根拠的にそうなるのではないか」という法則に基づいた推論と「そうなったらいいな」という希望です。
相場は前者とは仲良くしますが、後者を食って上下に移動します。前者の根拠を元にエントリーした結果、そうならないという絶望の中、人は損失を手中に収めるわけです。
そうした絶望からくる損切りがあるポイントこそ、相場が伸びるポイントです。「次はこうやって上げていこうかな」という素振りを見せて買わせ、「もう戻らないよ」という絶望で売らせる。希望のある方向に相場が伸びるためには絶望がないといけません。
そして、希望方向に相場が動き出すとき、多くの人は、そうした希望があったことなど忘れてしまっています。
料理をつくるとは「何を造るか決める、素材を用意する、調理する、お皿を洗う」があってこそ。
エントリーは「買う」だけではない「売る」だけでもない。
買うには、買う理由を揃えて、買い場を見極める必要があります。
売るにも、反転する理由を揃えて、売り場を見極める必要があります。
人は、買う理由と、そうなったらいいな、という希望的観測のもと、エントリーするわけですが、実はやること、かけるエネルギーはその4倍くらい必要なわけです。それをやってはじめて、勝率が50%、リスクリワード200%を上回るんじゃないかなと、そんなことを考えています。。。