深淵をのぞくとき、深淵もまた

ねこぴっくFX

FX中級者向け 相場と自然

FXにおける「逆張り」はない

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逆張りは最後の1回だけ勝てる。順張り(トレンドフォロー)は最後の1回だけ負ける。だから順張りをしないといけない。それはわかる。
RRの良い順張り(つまりやるべきトレード)とは、下位足の逆張り、上位足の順張りである。それはわかる。
次に考えるのは「このトレンドは何のトレンドだろうか?」「トレンドは何で測ることができるのか?」ということ。このあたりはかなり手探りだ。結論からいうと「波の分解なんて分からないから、どの足のトレンドかを探るのではなくて、自分の見る足でトレンドがどうか(上昇か下降か、トレンド序中終盤か)を見ろ」ということになる。

明確に折り返しのサインが出るまでトレンドは継続する

ダウ理論の通り。波の規模に相応しいダブルボトムがつき始めたら、転換どき。
たとえば4hレベルの下げなら15分足レベルでチャートパターン。1時間足なら5分足レベル。日足レベルなら1時間足のチャートパターン。ただし、そう綺麗についてくれるとも限らない。しかしダウ(水平線)は裏切らない。高値か安値かが一目瞭然だ。きれいなチャートパターンなら素直についていけばよいが、そうではないとき、それを「追って深みに入っていって解明する」よりも「その場はスルーしてわかりやすいチャートパターンができるまで待つ」方が賢い事が多い。

自分は相場の主体ではなく、あくまで脇役。相場は自然。だから、例えば海に例えるなら「海岸で貝拾いをする人」くらいの認識でいた方が良い。引き潮になったら貝を探せば良いし、悪天候になったときは海に近づかない方が良い。「高潮だろうが津波だろうが俺は天才サーファーだぜ?大丈夫だ!」というサーファーの命と同じです。自然が猛威を奮っているときは、難しい。

5〜8日間のトレンド転換と、数カ月間のトレンド転換が噛み合うとき(数ヶ月に一度)

大口は賭けをしない。

トレンドが出てから、もしくは長期足のわかりやすいポイントに絞って資金投下する。大口の一部は意思決定に時間がかかる。数時間や数日で売り終わる、買い終わることはない。投下された資金はすぐに回収されることはない。この動きは株式市場や債券市場、国際的な環境の変化によってもたらされる。大口エントリーポイントは非常に少ない。

投機筋の資金は必ず戻る(値は返ってくる)

投機筋が狙ってるのは「抜けたか」と思わせた中でのドテン。流入資金が少ない市場ほどチャートを操れる。一度できたトレンドが行き過ぎるのは、投機筋が理由だ。皆が「トレンドが転換したら買おう(トレンド転換前では討ち死にするから)」と”転換後”を待っている中、何度か「我こそはー!!!」と、早まった素人投資家が丸腰で戦場に出て秒で討ち死にしつつ、幾人かはガクガクブルブルしながら、もはや人より先に前に出ようという無謀な投資家はいなくなる(まぁ、次のトレンドでまた逆張りしだすけれども)。無謀な投資家がいなくなったとき、投機筋の流入量=投機筋の回収量となり、また既に「逆に買って行きたい投資家」が待ち構えている。このタイミングでトレンドが転換し、資金を新たに吸い込んでいく。
投機色の強い、行き過ぎた通貨がラウンドナンバー(=キリ番)をきっかけに反転しやすいのは、むしろそれ以外に根拠がもはや見当たらず、投機筋の阿吽の呼吸で反転しているからだ、とも言える。

実は誰も「値がどうなるか」をわかってはいない

想定した値の方向性(角度、時間軸、値幅)によって人は売り買いをする。基本的に買われたものは使われる。流入した資金は出ていく。細胞が入れ替わるのと同じ。

退屈なトレードこそ良いトレード

「やっぱりそうなりますよね」の部分だけを狙う。「あっ、今回はそうなりましたか」で撤退できるのがいい損切り。「えっそうなるんですか?」の場合は、損が出たら拡大するし、益が出れば伸ばすことができない。

次に気になるのは「トレンドって複数ありますよね?」「トレンドってどの足の何を見れば良いんでしょうか?」という部分。だからパターンや見る足を固定しよう、という話になる。

ぶっちゃけ相場で一番難しいのは「今動いているロジックが果たしてどのタイムフレームのどの部分なのか」ということを認識しようとすること。例えば普段スキャルピングやってる人間が、突然、日足の伸びに対してゆったり建玉持っていられるかというと、ソワソワして出来ないと思う。「かなり勢いよく抜けたと思ったけど、日足のレジスタンス割ったな。じゃあ日足でやろう」というのは結構厳しい。「剣道の試合内からフェンシング出るか」というわけにはいかない

その他の余談:
・ポンドでレバレッジが効くのはなぜか? → 単純にたくさん動くよという意味。
・たくさん動くのは、通貨の取引量が少なくて、ドルとポンドと円で生まれたトレンドをブーストする通貨だから。
・ドルのボラティリティが高い今、投機通貨のメリットはあまりない。
・たくさん動いて何が良いのか?というと
1. pips(経費)に対する利益率が高いこと(経費縮小)
2. 資金量に対するレバレッジが効きやすい事。時間を使わずに大量Bet可能
・これらは資金量の少ない弱者の戦略。一点突破すれば勝てるかも?(=普通に戦ったら勝てないので)という視点で価値がある。
・ということは、裏を返してみると、資金が増えるにつれて、大船に乗る戦略へ変更しないといけない(安定する通貨ペア、リスク許容度を下げたパターンのみへの投資、タイムスパンを長く取った投資、もしくは外貨為替の投資から事業への投資に変わっていくもの)
・これはベンチャーと大企業の関係でも同じ。ベンチャーが勝つのはリスクを取れるから。それだけ。基本は大企業(図体のデカい動物)の方が強い。情報も人も金も(脳みそもリーチも筋力も)。
・FXやってる人は永遠にFXで加速しながら稼げると思ってる人もいるのかな?それは違う。「質量を持つ物体は光の速度に近づくにつれて加速するのに必要なエネルギーが無限に近づき、光の速度に近づくことはできない」という相対性理論の通り、無限に加速することは難しい。
・このことが「相場を道として学ぶべき」理由。FXのみで銭稼ぐことを目標にするなら、人と関わる職種で経験積んだり、人の役に立てる技能を学んだ方が人生豊かになる
・相場を茶道や武道や華道のように、道として志せばもっと違うものが見える筈
・つまり通貨ペアは何でも良い。ファンダもやったらえぇ。パターンは更に抽象化してみ。トレードの価値を「人に自慢できる」に終始させずに、技術として、美として昇華させたいものです。

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