資金管理はトレードとは別だ。
どんなトレードをするか?というのと、資金にどんな性格をもたせるのかは別ということだ。
投資には絶対はない。まず大前提。細かいタラレバ話は取らぬ狸の皮算用だ。
トレードの目的を明らかにしよう。お金を増やすことだ.しかしいくら欲しいか?いくら溜まれば満足するだろうか?
一般論、ここに満足がない。あればあるほどよい。もはやゲーム。戦い方が同じであれば、人は破産するまでお金を増やそうとする。破産して分かるのだ。これは求めていた結果ではないと、資金管理が必要であると。
お小遣い程度があれば良いだろうか。0じゃなければ良いのだろうか。月50,100,300,500,1000,10000と増やしたいのだろうか。
お小遣い程度で良い、0じゃなければ良い、と思うなら何も考えないのが良いだろう。口座に入っているお金をあるものと思わないよう、使っていくと良い。
しかしパフォーマンスを最大化させたい、できるだけ増やしていきたい、というのなら、乗せる金額を上書きする必要がある。そこには勘違いがあり、リスクがある。だから守りを考える。これが戦略の必要性となる。
弱者の戦略、強者の戦略
弱者の戦略と強者の戦略は異なる。それは明確に区別される。ランチェスター戦略である。弱者は一点突破である。小回りが効く。無理もできる。攻めだけを考えれば良い。
何回でも破産したいのなら資金を溶かすまで最大ロットを張ると良い。
しかしあくまで投資なのだ、事業であり仕事なのであるという視点に立った時、ではどのようなリソース配分が最適なのだろうか、と思われる。
ランチェスター戦略によると、兵力が増えれば「待つ」戦略に優位性がある。守りを考えることが、生き抜く最適解となる。つまり攻めのスタイルから、守りに転換する。城塞を築き、堀をほり、城をつくり、町をつくる。仕組みをつくる必要がある。
具体
例えば、資金拡大ペースが十分なペースになれば、レバレッジはかけない。ハイレバにする必要がないのである。その代わり、ハイレバ分の経費がないスプレッドの低い口座に移る。
資金管理をトレードに落としたとき、RRから考えると思う。ロット数が全体資金に占める影響度合いと、トレードで動く幅を元にロットを決めれば良い。
資金が100万あり、バルサラ破産確率でドローダウン2%(十分に再現性がありつつ拡大ペースも確保した割合)の中で収まる1回の試行を確保したい場合を考えよう。
以下の図でいうと2万円以下に収めることになる。損切り幅が30pipsであれば、4,5,6万通貨程度が目安になる。
取る値幅、これは200%以上なら十分だろう。150%でも回る(数字上は優秀)であるが、200%以上が自然に思える。勝率60%程度で150%取れる場合には更に伸びる場合が多い(上位の波につながっている可能性が高い)体感があるからだ。
クッと抑えた損切りでバッと伸びるときには、根拠が明確であり、溜まっていたエネルギーが開放されることを意味する。エネルギーの開放とはMAが収束から拡散する動きであり、是則ちトレンドなのである。途中からでも入りたい投資家、裏切られてどんどん諦めて行く投資家、値段が伸びて途中から我も我もと参入する投資家が出るフェーズである。伸びるのは、他人がほしいというからである。戻すのは、利確やスキャが多いのである。待ってみてもよいだろう。どんな流れに対する動きなのか?(波には必ず対応する前の波があり、その波に対応してあとの波が流れていく)を見てみれば良い。
なぜ型を固定するか
毎回最適な投資比率を考えていたら間に合わない(正しいかどうかもわからない)。
しかし型が同じであれば、どんな状況は問題がなく、どうなるとズレこんでくるのか、について”雲行き”が分かる。そのため勝率感、確度、勢い、戻すタイミング、そういうものを”なんとなくこうかな”と感じられる確率が高まる。
これが人それぞれ型を固定する意味だ。リスクリワードの読める型を元に毎回の投資ボリュームを決めている。だから安心。損しても平気。安心だから疲れない。疲れないからエネルギーを次のトレードにも向けられる。利確も無感情。いつもどおりだからだ。
1つの武器の間合い、受け方、強みと弱みが毎回同じだから「無意識レベルで、間違わないで実行できる」「意識的に注意を向けなくて良い」ということがメリットとなる。
弓隊なら弓隊、騎馬隊なら騎馬隊、鉄砲隊なら鉄砲隊が古来から居る。餅は餅屋なのである。同じことで、求められる局面に沿って出張り、役目を果たす。
それが流動性を高める投資家の役割である。そこで得して帰るのか、傷を負って帰るのか。それは人間が勝手に決めてやってくれ。俺はそんなことは知らんというのが相場の言である。
トレーダーとは一人社長である
最後に。トレードで破産する人は、会社の金を自分の給料だと思って使い込む。
時には含み益を。時には口座残高を。
FXではその境界線を自分で引くしかない。
口座残高は預金残高ではない。AMAZONギフト券でもJCBギフトでもない。それがトレードに使われる可能性がある以上、死ぬかもしれない兵士なのである。
会社をつくるときは、当然会社の資本金があり、自己資本比率があり、対収益比がある。会社の口座は別である。お金に色はない。色を付けるのは自分自身である。
最初は手弁当でやる会社、もしくは夏限定の海の家のようなトレードでも、会社が独立してやっていけるように、大きくしていくのである。人件費はあなたの稼働時間である。
そう考えると、損切りもスプレッドも、仕入れである。経費となる。
それを、他の投資家が「欲しい」というタイミングでより価値の高い場所でポジションを譲ってあげる。それが「売上」である。
売上から経費を引いて、自分に給料を支払い、各経費を支払い、会社を大きくするのである。ときには更に人も雇うことがあるだろう。会社の資産(各種コンテンツ)を増やしていくことも、その取り組みの1つなのである。
再現性のない、再現性のある世界を楽しもう。そのためには、そういった考え方が時には必要である。